肺炎球菌ワクチンについて
1.肺炎球菌ワクチンとは?
日本人の死因の4番目が肺炎です。高齢者を中心に肺炎で亡くなる人は年間8万人に達します。
高齢者の市中肺炎(日常生活で起こる肺炎)の起炎菌は肺炎球菌が一番多く50%を占め、インフルエンザ菌、嫌気性菌、緑膿菌と続きます。
最近は抗生物質が効き難くなった肺炎球菌が増加しており注意が必要です。
肺炎球菌が引き起こす主な病気としては肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症のほか、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。
「肺炎球菌ワクチン」は高齢者の肺炎の原因となる病原体の中で、最も頻度の高い「肺炎球菌」という細菌を狙った予防ワクチンです。
接種後、免疫(抗体)ができるまでに3週間程度かかります。
平成26年10月から65歳以上の高齢者を対象としたワクチンの定期接種が始まりました。
2.肺炎球菌ワクチンの効果持続期間は?
5年で抗体価(ワクチンの効果を示す指標)が低下します。
ワクチン接種から5年以上経過すると再接種が可能です。
現在2種類の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP、プレベナー13)が接種可能ですが、65歳以上の定期接種ではニューモバックスNPが使用されます。
3.予防接種を受けたほうが良い人は?
高齢者(とくに65歳以上の方)、慢性呼吸器疾患、心不全、腎不全、肝硬変、糖尿病、脾臓摘出などで脾機能不全にある人です。これらの人は肺炎などの感染症にかかりやすく、重症になりやすいことから肺炎球菌ワクチン接種を考慮してもよいと思います。
4.副反応(副作用)は?
重篤な副反応は極めてまれです。よくみられる副反応は、注射部位のかゆみ、疼痛、発赤、腫脹、軽い発熱などです。通常、2~3日で消失します。
5.予防接種を受けるには?
肺炎球菌ワクチン接種には予約が必要です。
予約は受付窓口、電話で受け付けております。
詳しくは受付窓口までお気軽にお問い合わせ下さい。
院長・循環器科: 能戸 徹哉